クリスマスと人類とクリエイティビティ

ホー。ホー。ホー。メリークマムシ〜。みんな、元気かのぉ。わしゃ、クマムシサンタじゃ。遠くの寒いところからやってきたんじゃよ。

去年のクリスマスから、ちょうど一年くらい経った気がするのう。うむ。去年は「クリスマスが嫌いなおともだち」がわしを呼び起こしたんじゃったな。

今年は誰にも呼ばれてないけど、勝手に人間界にやってきたぞい。まあね、人間っていうイキモノは見ていて面白いっていうかね。放っておけないというかね。うむ。

きみらを見ていてつくづく思うんじゃが、人間の素晴らしさは「クリエイティブ」なところじゃ。無のところに何かの価値を付け加えていくこと。それが「クリエイト」するということじゃよね。その最たる例がクリスマスなんじゃ。

クリスマスはキリスト教の枠を超えた全世界的イベントになっておる。ほとんどの人にとって、クリスマスがイエス・キリスト生誕の日かどうかはどうでもいいことなんじゃ。人々が各自で価値を加え続けた結果として今のクリスマスができたのじゃよ。

わしも若い頃は「キリスト教でもないのにクリスマスではしゃぐなんて」と思っておった。じゃがの、そうじゃないんじゃ。「自分たちの手でクリエイトしたことが前進する力になる」。それを体現したのがクリスマスだからじゃ。

実体のないものに物語が与えられて価値が生み出される。その価値に触れた者たちは高揚感とともに生きる希望も湧いてくる。価値は加え続けられて、人から人へと時空を超えて伝播していく。人間の最も素晴らしい営みのひとつじゃ。

クリスマスの魔法にかかった人々は自然と笑顔になって幸せな気分になるじゃろう。これは根拠の無い笑みと幸福じゃ。でも、それでよいんじゃ。幸せに感じるかどうかなんて人々の主観じゃし、所詮は脳内の化学物質に依存した現象なんじゃからの。

クリスマス以外にも、実体は無いが付加価値の高いものは見渡せばいくらでもあるじゃろう。アニメやゲームもそうじゃ。二次創作によりオリジナルに価値が付加され続けていくコミケ界もじゃ。そこの価値は明日を生きる糧となる。

かくいうわしも実体は無いようなもんじゃがの。でも、「クマムシさんはいる」と思っていれば、わしは本当に存在することになるんじゃよ。「虚」も「信」ずれば「在」る。それはクリエイティビティの源となる大事な思考なんじゃ。

ちょっとついでじゃが、わしらが物質化したものたちについては今、クリスマスキャンペーンをやっておる。わしらの大型物質やレア物質が割引きになったり当たったりするんじゃ。

クリスマスキャンペーンは本日21日までだから、あと3時間くらいで終了じゃがの。クリエイティブなきみらにとっては最後のチャンスじゃ。

さて、話をまとめるかの。クリエイティビティは人間のもっとも素晴らしい才能で、人類が前進するいしずえとなる。

人類はそのクリエイティビティで無から価値を創造し、困難な時代を乗り越えてきたのじゃ。きみらもクリエイティブであり続けるかぎりは、きっと前に進んでいける。今の日本のように明るい未来が描けないような時代でも。

年寄りの独り言はこれくらいにしとこうかの。もし老いぼれのこんな独り言がちょっとしたクリスマスプレゼントになってくれれば、それで満足じゃ。それじゃ、また来年・・・。

メリークマムシ♪