クマムシさんからの学振アドバイス

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学振の結果が出たみたいだね。学振とったおともだち、おめでくまむし。

 

学振だめだったおともだちへ。不採用になったのは、君の存在性が否定されたからではないよ。業績がちょっと足りなかったり、研究計画がちょっと甘かっただけだよ。ぼくは、君の全存在を肯定しているよ。元気だしてね。そして今後の身の振り方を落ち着いて考えてみようね。むきゅーん♪

 

ぼく、学振のことはちょっぴりだけ知ってるから、来年申請するおともだちにアドバイスするよ。

 

学振ってなに?って聞いてくれたおともだちへ。学振というのは学術振興会特別研究員の略称で、文部科学省が大学院博士課程の学生さんや博士さんのための研究支援制度だよ。ひらたくいうとフェローシップだね。

 

学振をもらえると、生活費をもらいながら研究を主体的にできるんだ。研究者の卵たちの登竜門だね。でも、これをもらうのはとても難しいんだ。アカデミアの住人にとって、学振はひとつの大きなステータスでもあるよ。むきゅん

 

学振で、一番大事なのは研究計画の内容なんだ。これには堅いロジックのもとに実現可能性を感じさせられるものでないとダメだよ。あと、日本語の文章もオーガナイズされてないとダメ。面白いことに、この両者のレベルは相関していることが多いんだ。このコツは、PDもDCも共通だよ。

 

過去に学振に通った人の計画書もいくつか読ませてもらおう。熟読して良いポイントを学び取ろうね。自分で書いた計画書は、指導教官に何度も何度も添削してもらうこと。もし君の研究室から学振に採択されることがほとんど無い場合は、学振によく通っている研究室の教官にもお願いしてみてもらおう。

 

次に業績についてだよ。DC1は業績ゼロでもぜんぜん大丈夫さ。DC2は、できれば国際雑誌のファースト(第1著者)がひとつほしいところ。これがあれば、採択される確率はぐんと上がるよ。PD採用のためには、ファーストが5本以上欲しいところ。分野にもよるけどね。

 

「学振はコネがモノを言うんだよう!」となげくおともだちへ。学振の審査は、かなりフェアに行われるよ。研究室のコネは、あまり関係がないんだ。良い研究室から学振採用者がたくさんでるのは、教官の研究能力と申請書作成の指導能力がすぐれているからだよ。そこをまちがえては、だめだよ。

 

学振に落ちたおともだちへ。DCの場合、返ってきた評価を受け止めて次につなげよう。評価がBでもCでもあきらめないで。PDの場合、BやCだとちょっと厳しいよ。アカデミアに残るかどうか、自分と向き合って真剣に考えよう。じこせきにんだからね。むきゅーん♪

 

ぼくからはいじょうだよ。未来の研究者のたまごさん、がんばくまむし!