クマムシさん、セルビアで調査兵団幹部らと語る。

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ぼくクマムシさんがセルビアに来てから3日目。今日は首都ベオグラードにある厳かな要塞を見に行くよ。

このベオグラード要塞の歴史は、2世紀までさかのぼるんだ。ここでは、様々な勢力どうしがぶつかりあって、破壊と創造が繰り返されていたんだって。

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それにしてもこの要塞、あたり一面を高い壁で覆われているね。

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あ、あの中を通れるみたい。 

てくてく、てくてく、てくてくまむし。

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え?壁をくぐったらまた壁?

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壁のまわりには、武器がいっぱい。今も、誰かと戦ってるのかな? 

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ほんとうに、高い壁ばっかりだね。歩き疲れたし、もう帰ろうっと。

てくてく、てくてく、てくてくまむし。

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・・・んっ?あれは・・・???


どこかで見たような・・・・・・。


ま、いいや。


ずっと歩いていたから、さすがのクマムシもくたびれちゃったよ。暑いし、このままだと体が乾いちゃうから水分補給したいな。

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さてと。

このへんのカフェでひと休みしようっと♪

カフェに入ったのはいいけど、あいかわらずセルビア語のメニューを解読するのは大変だなぁ・・・。



「何かお困りかな...?」



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!!はっ!!!!!!!!!!!


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エルヴィン団長「上から順にコーヒー、アイスコーヒー、モカコーヒーだ…」

リヴァイ兵長「…………」



えっ???

あっ、う、うん??

じゃ、モカで・・・。

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リヴァイ兵長「俺たちは...何にするかな...」

エルヴィン団長「ここはモカがおすすめだ」

リヴァイ兵長「そうか...」

エルヴィン団長「俺はモカにする。おまえもどうだ?」

リヴァイ兵長「…了解だ…おまえの判断を信じよう…」

 

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こ、こ、この人たちは・・・調査兵団???

ということで、なぜか調査兵団の方々とお茶することに。

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はい、進撃プレイ終わり♪ 

実はこの二人、オリとダミアンは、人気漫画『進撃の巨人』のコスプレイヤーとして世界的に有名なんだ。もちろん、日本でもファンが急増中。

かれらは、ここセルビアのベオグラードを拠点に精力的な活動をしているんだ。今回は、そんな二人にクマムシさんが話を聞く特別企画「クマムシさん、セルビアで調査兵団幹部らと語る」をお届けするよ。

☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°

1. 日本のニュースサイトで注目されて呼吸困難に 

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オリ(左)とダミアン(右)。「進撃の巨人」に登場する調査兵団のエルヴィン団長とリヴァイ兵長にそっくり。二人の体格差も作品中の設定にかなり近い。


クマムシさん: あらためて、はじめまして。今日はお会いできてうれしいな。

オリ: こちらこそ。セルビアにようこそ、クマムシさん。

 

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クマムシさん: これ、おみやげ。ぼくの分身なんだ。

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オリ: ワオ。ありがとう。かわいいね、これ。(モミモミ)

クマムシさん: 気に入ってくれてよかった。

オリ: (モミモミモミモミ)気持ちよくて、モミモミする手が止まらないよ。

ダミアン: 本当にかわいいね。

クマムシさん: ありがとう!オリとダミアンのふたりは「オリサー(OriSor)」というユニット名で「進撃の巨人」のトップコスプレイヤーとして世界から注目されるようになっているけれど、その理由、ぼくは今よくわかるよ。本当にエルヴィン団長とリヴァイ兵長そっくりだもの。今、ぼくは本当に漫画の世界に迷い込んだような、不思議な錯覚におそわれているよ。

オリ: ははは。そう言ってくれるのは、ぼくらにとって最上級の褒め言葉だよ。

クマムシさん: とくに最近、ふたりは人気が急に上がってきたわけだけど、どんな感じなのかな。

オリ: うん、僕らの写真がすごい勢いで世界中に拡散したとき、しばらくの間動けなくなるくらい衝撃を受けたんだ。

ダミアン: ちょうどそのとき、僕もそばにいたよ。

オリ: 実をいうと、日本のニュースサイト「ロケットニュース24」が僕らのことを写真つきで紹介したとき、僕は呼吸困難に陥ってね。息ができなくなってしまったんだ。いや、「成功できたらいいな」とは思っていたんだけど、まさかここまで注目されるようになるとは予想できなかったよね。

ミナ: 私は、彼らオリサーがTumblrみたいなSNSで西洋人からすごく支持されるようになる確信があったの。でも、実際には日本人を含めたアジア人の方が、彼らに熱狂しているのよね。これは予想外だった。

 

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ハンジに扮するミナ。ミナは二人のディレクターのような存在であり、セルビアでの日本ムーブメントの一大拠点Sakurabanaも運営している。


オリ: 世界に何らかのインパクトを与えられれば、と僕らは願っていた。でも、ここまで注目されるようになるとは、夢にも思っていなかったんだ。例えば、WorldCosplayでのコスプレイヤーランキングでは、僕の人気が10日間で5万位から3千位に一気に上がったり。今はもっと順位が上がっているんだけどね。

ダミアン: 「進撃の巨人」でタグ付けされた写真を眺めていると、僕たち自身の作品をランダムに目にする機会も増えたしね。それだけ拡散しているってことだし、驚きだよ。

クマムシさん: いや、本当に、二人は「進撃の巨人」のコスプレイヤーの中で、もっともクールだと思うよ。

オリ: そう言ってもらえて、光栄だよ。

ダミアン: 僕も。

クマムシさん: あ、ところで、きみたちの写真をとってもいいかな? 

オリ: もちろん。

クマムシさん: それじゃ、いくよ。はーい、お互いに見つめあって〜。

オリ: あ、ちょっと深刻な問題があってね...。ダミアンは僕の隣にいるとシリアスになれないんだ。

  

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ダミアン: うくくくっ…….

 

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オリ: ほらね?撮影のときはいつも、見つめ合うシーンを撮るのに苦労するんだ。ダミアンはいつも笑っちゃうからね。ほら、今、彼は僕の目を見れていないだろう?

ダミアン: それ言うの止めてよ!集中できないでしょ!(バシッ)

オリ: 痛っ!たたかないでくれよ!

クマムシさん: ダミアンはツンデレみたいだね。

ダミアン: 僕はツンデレじゃないよ。

オリ: いや。ダミアンは超ツンデレだ。

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ダミアン: …………


2. 日本は世界の50年先の未来をいく別の惑星

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クマムシさん: みんなコスプレ活動を精力的に行っているわけだけど、どんなモチベーションで続けているの?

オリ: 基本的には、この活動が楽しいから続けているんだよ。僕らは日本の文化、伝統、知恵、そしてテクノロジーを愛している。日本のことを愛しているから、こういう活動を始めたんだ。

ダミアン: ここは漫画の描き方を教える教室なんだよ。この教室はSakurabanaというんだけど、実は、僕もここの生徒の一人なんだ。もう4年もここに通っているんだよ。
 

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ここSakurabanaでは多くの生徒が漫画を練習している。みんなとても真剣。


クマムシさん: そうだったんだね。

ミナ: このSakurabanaは、私が7年前に開いたの。私がここで漫画の描き方を教えているのよ。セルビアはあまり新しいモノに対してオープンじゃなくって。だから、何も無いところからここまでSakurabanaを育てるのに、何年もかかったんだ。でも、活動を続けているうちに、セルビアには日本文化を好きな若者がたくさんいることに気づいたの。

オリ: いまや、Sakurabanaはセルビアでは日本文化を広める一大拠点なんだ。最初はたったの5人で、しかもお金も無いところから始まったんだけどね。彼らにはただ、情熱だけがあった。最近はたくさんの人が集まってきていて、みんな楽しみながらこの活動をしているんだ。

クマムシさん: 日本が好きだったり興味のある人が、セルビアにもたくさんいるんだね。セルビアの人から見た日本の印象はどんな感じなのかな。

ミナ: セルビアの人々はエキゾチックでミステリアスな日本とその文化に対して尊敬の念を持っているのよ。だから、私たちは日本人のことを大事な友人だと思っているし、私たちの日本への愛をもっと強めることで、セルビアと日本の関係がもっと近くなればと願っているの。あと、日本人の勤勉さや文化に対する姿勢も、セルビアではよく知られている。それは、多くのセルビア人にとって、自分たちが見習わなくちゃいけないところだと感じているからじゃないかな。

オリ: 僕のに言わせると、日本はこの世界の50年先の未来をいく別の惑星みたいなところだね。

ミナ: 日本の震災とセルビアの水害が起きてからとくに、二国間の人々の関係は密になったように感じるね。


3. コスプレをしているのではなく、漫画の登場人物として生きている

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クマムシさん: そうなんだね。ところで、どういう風にコスプレ活動を始めたの?

ミナ: 最初、Sakurabanaのメンバーで集まって、どの漫画のコスプレをするか考えていたの。で、よく見るとダミアンがリヴァイ兵長そのものだということに気づいて。そしたら、ほら、エルヴィンも欲しいじゃない?すると、なんてことなの!オリも完璧にエルヴィン団長そのものじゃない!だから、オリのFacebookに投稿したの。「私たちにはエルヴィンが必要!」って。

オリ: そうそう。そのとき、僕は「ああ、エルヴィンが必要なのね」とは答えずに「ああ、僕が必要なのね」って答えたんだ(笑)。

ミナ: オリはグラフィック・デザインもできるし、ダンスや演技もできる多才な人。そして付き合いやすい。だから、そのときから一緒に活動をしているのよ。

オリ: 僕らは「楽しいから」という理由だけで活動を始めてここまでやってきたんだ。でも、最近ははじめに想定していたよりも状況がずっとシリアスになってきて。これから先も十分なお金は無いかもしれないけれど、本当のクリエイティブなパワーを世界に示していきたい。そう思うようになってきたんだ。

クマムシさん: クリエイティビティといえば。「進撃の巨人」のコスプレをする人はたくさんいるわけだけど、きみたちのコスプレは他とちょっと違うな、と思うところがあって。オリもダミアンもエルヴィン団長とリヴァイ兵長にそっくりなんだけど、そこだけで終わっていないでしょ。ただ真似ているんじゃなくて、原作を基点として新しい何かを作り出しているように見えるんだよね、写真作品を通して。登場人物どうしの関係性とか。

オリ: そう。実は、僕らのやっていることは「真似る」ことのずっと先にあることなんだよ。まず、登場人物がどんな人間なのかを完璧に理解しようとする。すると、彼らが日常の中でどんなふうに振る舞うのかが想像できるようになるんだ。つまり、登場人物を深く分析しつくして、そこから原作とはまた別の世界を再構築しているわけさ。

クマムシさん: なるほどね。たぶん、真似るだけならもっと簡単だと思うんだよね。正直、ここまで深い思想を感じるような作品を君たちがつくっていることに、ぼくは驚いたんだ。ほら、日本人の感性って独特でしょ。

オリ: ははは。そうだね。

クマムシさん: こうしてクマムシが人間にインタビューをしていても、日本では「アリだな」っていう空気があるのね。例えば、日本では、とても奇妙な挙動をする黄色い着ぐるみのキャラクターがひとつの人格として認められているどころか、国民的スターになってしまうくらいだし。でも、外国の人々からはなかなか受け入れられないよ。こうして、クマムシが人間と対等に会話をしている状況は。

オリ: まぁ、そうだろうね(笑)。

クマムシさん: とくに、日本人が萌えを感じるポイントなどは、外国人からすると理解しがたかったりするじゃない。でも、きみたちは、そのあたりの部分をすごく理解していていることが作品を通じて伝わってくるんだ。現に、多くの日本人がオリとダミアンの写真に萌え死んでいるわけだし。

オリ: そのあたりは、ミナがいつもアイディアを出してくれるんだ。どのキャラクターがどういう風に振る舞うべきか、とかをね。

ミナ: 長年にわたって漫画文化を研究してきた経験があるからね。日本の外にいても、こういう部分に精通することは可能なの。

オリ: 僕らは写真作品を通して、「進撃の巨人」のアナザーワールドを作っている。そこでは、エルヴィン団長とリヴァイ兵長は恋人どうしという設定なんだ。彼らがインタラクションする様子を写真で表現している。他には、エルヴィン団長が死の淵をさまよっている姿も描いたりしたよ。天国とこの世を行ったり来たりするところを表現したんだ。個人的には、エルヴィンには死んでほしくないんだけどね。もし、原作の中でエルヴィンが死ぬようなことになれば、もう耐えられないよ。彼とは、本当に深いところでつながっているように感じているからね…。

クマムシさん: やっぱり、そうなんだね。オリはエルヴィン団長と自分が似ていると思うところはある?

オリ: そうだね、僕は自分の人生が常に恐怖にさらされている感じがするんだ。子どもの頃、セルビアで戦争を経験したし。その後、僕はアメリカに移住することを夢見るようになって。でも、例の9.11が起こって、僕の夢は消えてしまってね。だから、恐怖や脅威から逃れることができないという感覚がいつもあるんだ。まるで、いつも「巨人」の脅威に怯えているような。

クマムシさん: そうなんだね。

オリ: それで、僕の性格はというと、生まれながらのリーダーや父親的な気質があるんだ。エルヴィンとは、そういうところが似ているかな。僕は友達や職場の人たちに優しくしてあげるけどね(笑)。実際に、僕はULTIMATE.danceというダンススクールで先生をしていて、そこで才能のある若者たちにダンスを教えているんだ。そこでは皆をまとめて、進むべき方向に導かなきゃならない。リーダーでいると、そうやって家族や分隊のようなグループ全体を守るために、タフな決断を迫られることも、たまにある。

クマムシさん: うん、うん。確かにエルヴィンと共通点があるね。

オリ: それから、僕にはずっと変な不安がつきまとっていて。僕はダンスが大好きなんだけど、「もしこの手足を失って二度と踊れなくなったらどうしよう」という恐怖をいつも抱いているんだ。でも、エルヴィンは腕を失っても戦い続けることを止めなかった。すごいスピリットだよね。彼からは、すごくインスピレーションをもらったよ。僕が「いつかこうありたい」という姿が、彼を通して見えるんだ。
 

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腕を失ったエルヴィン団長のシーンも作品で表現している。


クマムシさん: なるほどね。

オリ: いずれにしても、実際の登場人物になりきることはとても大事だね。僕らは、自分たちが作品の登場人物であると思い込むようにしているんだ。そうすると、本当にキャラクター自身になれるからね。ダミアンは、本当にリヴァイ兵長なんだ。例えば、こんなことがあってね。最初に皆でコスプレの撮影をしたとき、僕らはスタジオをめちゃくちゃに散らかしてしまったんだ。でも、次の朝そこで僕が起きたら、ダミアンはその何時間も前から起きていて、部屋を全部すっかりきれいに掃除していたんだよ。

ダミアン: うん。僕はリヴァイ兵長と同じで、掃除が大好きなんだ。掃除は毎日する。僕のお母さんも掃除が好きだったから、その影響かもしれないな。

オリ: 僕は完全に真逆。だから、ダミアンはいつも僕らの代わりに掃除をしてくれたり、何かを修理してくれるのさ。なんていったって、リヴァイはエルヴィンの右腕だからね。

ダミアン: ああ、それはそうだね(笑)。

クマムシさん: あはは、たしかに。でも、それだけ普段からキャラクターになりきっていたら、たまに混乱したりしない?「あれ?自分は実は本当に作品のキャラクターなんじゃないか?」とか思ったりしない?

オリ: うん、確かに不思議な感じがするね。僕らは彼らにとても似ているからね。僕らの性格は彼らの性格と少し違う部分もあるけど、コスプレをしていない日々の生活の中でさえ、いつも彼らのように振る舞っているんだ。

ダミアン: 僕は、リヴァイ兵長の姿になったときの方が、普段の自分よりも明るい性格になるね。

オリ: 僕らはコスプレをしているというよりは、普段の生活の中で「彼らとして」生きている。写真をオンラインに発表する前の修正作業のときは、そこに映った自分たちのことを他人の目を通して見ているような、とても不思議な気分になるよ。というのも、写真の中にいる自分は、自分でないように感じるから。そこにいるのは、現実世界の中にいるエルヴィン団長とリヴァイ兵長で、オリとダミアンではない。

クマムシさん: それは面白いね。それにしても、どの写真も本当にすばらしいね。作品作りはどんなふうにして行われているの?

オリ: 僕らはいつも作品作りについて議論しているよ。次はどんな写真を撮って出そうかとか、「この写真はやりすぎか、あるいは足りなさすぎか」とかを話し合ったり…。多くのファンが僕らの写真を待ち望んでいるから、毎日のように作品を発表する必要があるんだけど、これはけっこうなプレッシャーだね。

クマムシさん: たしかに、これだけのファンがいると、プレッシャーもすごいものがありそうだね。みんなが満足するようなハイクオリティな作品を、たくさんつくらないといけないもんね。

オリ: そう。みんなを満足させるために、写真撮影はいつも2日に1回行って、数枚のいい写真をつくるんだ。もっとも、いつも写真は数百枚撮るんだけどね。

ダミアン: いつもだいたい400枚くらいの写真を撮って、そこから5、6枚の写真を選ぶんだ。

オリ: 僕らは毎日、パフォーマンスをしなくてはならなかったり、「進撃ワールド」にマッチする撮影場所を探さなければいけなかったりと、大きなプレッシャーにさらされている。でも、一番大切なことは、僕ら自身がすごく楽しむことなんだ。毎回の写真撮影の中でも、少なくとも1、2時間はただ笑って楽しむだけの時を過ごしているんだよ。こうすることは、大きなプレッシャーを軽減することにもなるんだ。

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ときに真面目な話をしながらも、終始ふざけあうふたり。


クマムシさん: 何ごとも楽しむことが大事なんだね。写真をつくるときは、まずストーリーやシチュエーションを考えて、そこから撮影場所を決めたり、人物のポースを考えて、撮影、修正作業と多くの工程を経るよね。この一連の作業はどれくらいの期間がかかるの?

オリ: 普通は、だいたい2、3日だね。

クマムシさん: けっこう早いんだね。コスチュームはどうしているの?

ミナ: 全部、自分たちでつくっているよ。シャツにしても、全部細かくつくっているの。オンラインとかで買っているモノはひとつもないわ。

オリ: コスチュームは日々少しずつアップデートして改良に改良を重ねているんだ。一つのコスチュームを完成させるまでに何ヶ月もかかったりするんだよ。

クマムシさん: それはびっくり。で、写真は誰が撮っているの?

オリ: ミナとダルコがいつも撮ってくれている。ミナは、僕らのディレクターだ。

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ミナ(左)とダルコ(右)


4. 「進撃の巨人」には日常の中で感じている恐怖が投影されている

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クマムシさん: ミナが写真作品のコンセプトをつくっているんだね。こうやってみんなで進撃コスプレをしているわけだけど、多くの漫画作品がある中でなぜ「進撃の巨人」を選んだの?

ミナ: 「進撃の巨人」の登場人物はパワフルだし、兵団の制服のデザインも世界のメカニズムをうまく表現している。これらはとても新鮮だし、魅力的ね。人々は知識と技術を総動員して自分たちの命を守らなければならない。そういう世界観に惹かれたんだ。あと、立体機動装置のアイディアも気に入ったの。

オリ: いつどこで自分の自由が奪われるか分からない。僕らが日常の中で感じているそういう恐怖が、「進撃の巨人」の中に投影されている。自分のいる世界と物語の世界には、多くの面で通じる部分があるんだ。それは、セルビアの政治の状況から、自分と登場人物の性格の類似性まで、様々だね。

ダミアン: 「進撃の巨人」のような漫画でとくに興味をひくところ。それは、物語の中にたくさんの登場人物が出てくるけれど、それぞれのキャラクターの目的がはっきりしていなくて、読み手が常にスリルを味わえるところだね。

クマムシさん: 本当によく分析しているんだね。で、「進撃の巨人」の原作をもとにして君たちは写真作品をつくっていて、その作品中ではエルヴィン団長とリヴァイ兵長が恋人どうしという設定になっているよね。この世界観の虜になっているファンがたくさんいるわけだけど、ファンの中には自分のボーイズラブ的な趣味を他人に知られたくないと思っている人もいる。つまり、オリとダミアンにはなるべく有名になってほしくないと願っている人も、中にはいると思うんだ。

オリ: うん。

 

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かれらの作品には、エルヴィンとリヴァイの間における恋愛関係的インタラクションを描いたものが多い。


クマムシさん: その一方で、きみたちの活動の目的のひとつとして「ラブ・アンド・ピース」があるように思うんだよね。そこには、同性愛に対する偏見をなくすための意味合いも込められているようにみえる。そういうメッセージを世の中に広めるためには、オリとダミアンがどんどん有名になった方がいい。でも、きみたちが有名になってほしくないと願っているファンもいる。このあたりについては、どう考えているのかな。

オリ: 僕らは「同性愛への理解を深めてもらう」というだけの目的で活動しているわけではないけれどね。エルリ(エルヴィン団長とリヴァイ兵長のペアリング)は進撃ファンのあいだで有名なペアリングなんだけど、僕らもそのカテゴリーの中で表現をしていて、新しいキャラクターどうしの関係性を提示しているんだ。こういう活動をする人たちが出てくることで、ボーイズラブ好きの人がより多くの作家やコスプレイヤーをみつけられるようになる。その逆に、僕らも彼ら彼女らからのフィードバックをもらうことができる。たとえば、今、クマムシさんが質問したような内容に気づいたりとかね。

クマムシさん: うん。

オリ: たしかに、この世には自分のことを完全にさらけだしながら生きられない人もいる。それは、差別主義者が周りに存在することと関係している。同性愛嫌悪、女性嫌悪、人種差別、年齢差別。これらはまったく論理的でないし、それらを向けられる人々は常に恐怖にさらされる。人生の時間は、これらの恐怖を相手にいちいち手を焼いていられるほど長くはない。僕らの表現活動は、人々の「ありよう」を示してもいるんだ。ポジティブであれネガティブであれ、作品が何らかの問題提起をするものになっている。そして、それを見た人が作品にうまくアプローチしてくれれば、自分自身の中に答えをみいだすことができるはずなんだ。仮に、僕らの作品を見て不快に感じた人は、なぜそれが不快に感じるのかを考えてみればいいと思う。

クマムシさん: なるほどね。作品が表すものを各自で考えるべき、という意見にはぼくも同意だよ。


5. 夢は実写映画版「進撃の巨人」への出演

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クマムシさん: みんなはコスプレ活動を精力的に行っているわけだけど、普段は何をしているの?

オリ: ぼくは基本的にはグラフィック・デザイナーとして生計を立てている。あと、さっきも話したけどダンスの講師もしているんだ。ま、ダンスを教えるだけでは食べていけないんだけどね。だから、グラフィック・デザイナーの仕事も始めたんだ。セルビアではどんな職業に就いてもいい給料はもらえないけれど、まぁ、なんとか生きていってるよ(笑)。

ダミアン: 僕は大学生になったばっかりだよ。

クマムシさん: そうなんだね。二人ともこれだけ知名度が上がってきたわけだけど、コスプレイヤーとかパフォーマーとして生計を立てていくことは考えているの?

オリ: いや、それは考えていない。いわゆる有名人やスターにはなりたいとは、あまり思っていないんだ。今でも、自分が有名人だとはまったく思っていないし。僕はファンとの関係をすごく大切にしていて、オンラインでの密なコミュニケーションを大事にしているからね。有名になりすぎて、ファンの一人一人とコミュニケーションできなくなってしまうことは、僕の望むものではない。僕は誰かからメッセージが来たら返信するようにしているけれど、最近ではそれもなかなか難しくなってきているね。

クマムシさん: ダミアン、きみは?

ダミアン: 僕もオリと同じ考えで、パフォーマーとして生計を立てることは考えていないよ。実は、僕には個人的な夢があって。その、日本に住んで、英語の先生をしたいんだ…。

クマムシさん: それはいいね。

ダミアン: 本当に?それって可能だと思う?

クマムシさん: もちろん。ダミアンは日本で一番人気のある英語の先生になれるよ。

ダミアン: そう言ってくれて嬉しいよ。

クマムシさん: 他に何か夢というか、目標はある?

オリ: うん、実は僕らには大きな夢があってね。これは本当に大きな夢なんだけど、僕らが実写映画版「進撃の巨人」の制作チームの人々の目にとまって、映画キャストのオーディションに呼んでくれればいいなって夢見ているんだ。

クマムシさん: いや、それはいいね。ぼくも実写版できみたちがエルヴィン団長とリヴァイ兵長を演じているところを見てみたいよ。このキャスティングに文句を言う人は、誰一人いないはずだよ。

オリ: 本当にたくさんの人々が僕らのコスプレを見て「彼らの場合はコスプレイヤーというよりも、本物のキャラクターそのものだ」と言ってくれている。こう言ってもらえるのは、コスプレイヤーとしてある種の到達点に達したように感じるね。

ミナ: オリとダミアンは化粧をほとんどしなくても、本物のキャラクターにうりふたつ。オリにもっともよく使われるニックネームは「パーフェクト」なの。

クマムシさん: ほんとうにパーフェクトに似てるもんね。

オリ: 実はミナも完璧なハンジなんだ。彼女と親しくなれば、それが分かるよ。

ミナ: うん、ハンジと自分はよく似たところがあると思う。

オリ: たとえば、ミナはプロジェクトを遂行するときにリーダーシップを発揮してまとめる能力に長けている。僕らがアイディアに詰まったときは、いつもミナが「進撃ワールド」からヒントを得て新しいシナリオをつくるんだ。ミナの深い洞察から湧いてくるアイディアを、最初は誰も理解できないんだけど、そのうちだんだん分かるようになるんだよね。それから、ミナはいつも本当に興奮しながら楽しそうに作業に没頭しているし、そこが最もハンジと似ている部分かな。

クマムシさん: そうなんだね。面白いなぁ。もう、みんなで日本のコミックマーケットに出たらいいのに。コミケに参加する予定はないの?

オリ: 残念だけど、現時点ではコミケには行きたくても行けないんだ。僕らは活動資金のすべてを写真作品の制作とコスチューム代に使っているからね。コミケなどの組織の人々が僕らのことに興味をもって、そういったイベントに参加させてくれる機会を与えてくれればいいな、とは思っているけれど。

クマムシさん: そっかー。コミケに参加するための渡航費用や滞在費用を、クラウドファンディングで集めることもできると思うけれどな。きっと、多くのファンが寄付してサポートしてくれるはずだよ。

オリ: 僕らは人々にただ寄付を求めるようなことはしたくない。その代わりに、実は今、写真集を出版しようと計画しているんだ。この写真集の収益を、そういったイベント参加のための資金に回せればと思ってね。写真集は、僕とダミアンだけでなく、その他の素晴らしい協力者や支援者も加わったチームでつくる予定さ。この写真集の中で僕らは「進撃の巨人」のそれぞれのキャラクターに扮して、最大級のリスペクトを加えて偉大な原作に捧げたいと考えているんだ。普段の2倍の努力をして、この作品をつくるつもりさ。ハジメ先生(註: 「進撃の巨人」原作者の諫山創先生)が見ても気に入ってくれるような作品にしたいんだ。
 

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クマムシさん: それは楽しみだね。

オリ: いずれにしても、お金を集めるにしても、こういう風にしてサポートしてくれた人々にお返しをする形でやりたいんだ。これは、セルビアの文化だったりするんだけど。

ダミアン: そうそう。何かが欲しければ、働けってね。ただお金を乞うのはダメ。

クマムシさん: たしかにその方がフェアだね。

オリ: その通り。

クマムシさん: セルビアの文化やセルビア人の思想について、もうちょっと聞いてもいいかな。実はぼく、セルビアに来てすごい経験をしたんだ。

オリ: え?嫌な経験じゃなかったことを願うよ(笑)。

クマムシさん: いいことだよ(笑)。ベオグラードの街を歩いていたら、中年の女性に声をかけられたんだ。少しおしゃべりをしていたら、一緒に夕ご飯を食べることになって。彼女と彼女の弟さんと一緒にご飯を食べたんだけど、全部おごってもらっちゃったんだ(参照記事: クマムシさんのほっこり出会い旅・イン・セルビア)。ぼくは20カ国以上を訪れているけれど、街中で見知らぬ人から声をかけられてご馳走してもらったのは、ここが初めてだよ。本当にびっくり。

オリ: そうだったんだね。お客さんに、彼らの家でも味わえないようなおもてなしをする。確かに、セルビアにはそういう文化があるんだ。

クマムシさん: まさに、そういう感じのおもてなしだったよ。弟さんの方は、実はオリンピック金メダリストだったんだけど、そういう話は一切しなくて。謙虚だし、すごいなって。

オリ: お客さんを前にして、自慢にとられかねない話をするのは失礼だからね。ここに来た人が自分の国に帰ったあとで、「セルビアに行ったとき、まるで王様みたいな扱いを受けたよ!」と言ってくれるくらいのおもてなしをしたいんだよね。極端な例だと、明日に自分たちの食べる物が何も無かったとしても、お客さんが絶対に食べきれないくらいの料理をふるまうことだってあるんだ。

クマムシさん: それはすごいね。セルビア、完全に好きになっちゃったよ。


6. 「巨人」と戦う

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クマムシさん: そういえばこの前、オリとファンとの間で面白いやり取りがあったよね。

オリ: うん。この前、ファンの一人が僕の誕生日プレゼントに何が欲しいかをFacebookでたずねてきたんだ。そこで僕は「新しいiPhoneがいいかな」ってジョークで答えたんだけど、驚いたことに他のファンがiPhoneを買うためのお金をオンライン上で有志から集め始めたんだ。ちょっと気まずくなっちゃって。なんていうのかな、僕らのことをサポートしてくれる人がたくさんいることが分かったんだけど、同時に変なプレッシャーも感じ始めているというか。

クマムシさん: でも、それだけオンライン上での影響力が大きくなっているということだよね。

オリ: そうだね。この前、セルビアで洪水被害があったけれど、その後に同じような災害がブルガリアで起きたんだ。多くの人々が被害を受けて困っているのを知って、僕もTwitterで寄付を呼びかけたんだけど、とりわけ日本のTwitterユーザーからすごく大きな反応があって。日本の人々は僕らの考えに対してすごく理解を示してくれるんだよね。元々、寄付は西洋の人々に対して呼びかけたんだけど、日本を含めたアジアの人々の方がこんなに反応してくれるのは意外だったよ。

クマムシさん: 実をいうと、今回、ぼくがセルビアを旅先に選んだ理由の一つは洪水被害のこともあったんだ。セルビアは日本の震災時にもたくさん寄付をしてくれたし、僕もこうしてセルビアを旅行してお金を落とせば、セルビアの人々に多少は貢献できるかなと思って。

オリ: そうだったんだね。そうやってお金を使う方が、セルビア政府を通して寄付をするよりも、効率的に人々を助けることになるんだよ。この国の政治腐敗は大きな問題だからね。実際、僕らは自分たちの国の政府機関よりも、在セルビアの日本大使館の方をとても信頼しているんだ。日本の関係者はクリーンで誠実だからね。日本大使館と一緒に寄付集めの活動ができないかを模索していたりもするよ。セルビア政府を通して寄付をしようものなら、そのお金がどこに行ってしまうか分からなくなってしまう。本当に困っている人にお金を届けるための方法を、常に考えているんだ。僕らはこの現実世界で「巨人」と戦っているってわけさ。

クマムシさん: それは文字通り「巨人」だね。

オリ: 本当に。セルビアは決壊後のウォール・マリアのようなものなんだ。これは、この国の政治をジョークで表現したものなんだけどね。美しい土地が、政治とメディアでいつも台無しにされる。ここでは生きるのに苦労していたり貧困を余儀なくされている人々が、たくさんいる。これっておかしいんじゃないか、って思うよね。美しい自然にあふれたこの国にいる人々が、ここまで苦しむべきではない。そして人々は不幸な立場に置かれると、他人を非難しがちになってしまう。きちんとしたリーダーシップがなければ、人々は自分たち自身の中に光や力を見いだしづらい。あるべき方向に進むのも難しくなってしまう。

ミナ: この国の政治家は自分たちのことしか考えていないし、今ここで起きている問題にも見て見ぬふりをしている。それでも私たちは自分たちの国を愛しているし、いい形でこの国のことをみんなに見せていきたい。外国の多くの若者たちにセルビアを訪れてもらって、この国がいかに美しいかを見てほしい。セルビアはもはや戦争が続いているような国ではないし、実際にここに来れば、この国の素晴らしさを分かってもらえるはず。オリとダミアンの存在は、外国の人々がセルビアの美しさを知るためのきっかけにもなっているし、二人には本当に感謝しているわ。

クマムシさん: そうだね。ぼくも、この記事を読んだ人々がセルビアに興味をもって訪れてくれればいいな、って思っているよ。それにしても、コスプレイヤーは世界を変えられるほどのポテンシャルがあるよね。漫画・アニメやコスプレは、世界中の人々に人気があるからね。自分たちの活動で、世界がこんな風になればいいな、っていう願望はある?

オリ: セルビアに限ったことじゃないけれど、メディアはお金に目がくらんで間違った方向に行きがちだよね。ネガティブな話題をつくれば、人々はその当事者たちを非難してどんどん炎上する。メディアはそうやってお金を稼ぐ。僕らとしては、ネガティブなことについては脇に置いて、希望のある明日を見つめて歩いていきたいと思っているんだ。ポジティブな言葉をかけたり、誰かを助けたりすることで、人々が少しでも希望をもったり前向きになってくれればと思っている。僕らの国が洪水被害を受けたとき、世界のマスメディアは被害の状況を十分には伝えてくれなかった。でも、世界のアーティストの中には、被害にあった人々を助けるために動いたり、マスメディアに働きかけてくれた人もいた。こうしたことを、僕らもやっていきたいんだ。世の中にはうんざりするような嫌なこともたくさんあるけれど、その一方で、人間はそれを無視できるような生物でもない。僕らは人々に手を差しのべるすべてのアーティストを尊敬しているし、僕ら自身もそうありたいと思っているんだ。

クマムシさん: きみたちからは大きなラブ・アンド・ピースのハートを感じるよ。これからの活動も、本当に楽しみにしているね。今日はみんなに会ってお話ができて、本当によかった。長い時間つきあってくれて、本当にありがとう。

オリ: こちらこそ会えて嬉しかったよ、クマムシさん。

ダミアン: 僕も。

ミナ: 私も。


クマムシさん: またね!

 

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その後、みんながぼくのために特別に撮った写真を送ってくれたよ。

 

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オリ、ダミアン、ミナ、ありがとう!ぼくの一生の宝物だよ。

そして匿名希望さんからも素敵なイラストが。
 

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こっちも宝ものだね。

実際にみんなと話をしてきて感じたのは、好きなものに一生懸命で、誠実に生きているということ。そして自分たちのことだけでなく、視野を広くもって周りや世界中の人々のこともすごく考えて活動していることが印象的だったよ。みんなとは、これからもずっと仲良くしていきたいな。

そして、かれらの映画出演の夢が叶うこともお祈りしているよ。業界関係のおともだちが、かれらに興味をもってくれたらいいな♪


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